に鳴海の顔


 
 小さく規則的な振動が、ゆっくりとリンの意識を現実に引き戻した。
 優しく流れる風が微かに髪を揺らす。
 ここはどこだろう。
 眠り足りないのか、まだぼんやりする。
「起きた?」
 すぐ耳元で聞こえた鳴海の声に、慌てて網絡聲譽管理目を閉じる。
「違うか」
 漏らした息が、頬に当たるのを感じた。
 目を瞑ったまま、冷静におかれた状態を確認。だらしなく椅子に座ったような格好で、何かにもたれ掛かっている。
 暖かい。全身が体温を感じる。
 小さな掛け声と共に、身体が跳ねた。空間座標的に言えば、置かれていた高さがあがった。
 鳴海におんぶされNeo skin lab 代理人ているようだ。
 薄く目を開けて、様子を伺う。
 やっぱり。すぐ近く。
 額から汗を流し、完全に息が上がっている。
 体力のないヤツ。女の子を少し担いだくらいで、こんなに消耗するなんて。最近のガキは軟弱だなとリンは思う。
 視線を周囲に移動させる。ここはどの辺りだろう。
 見慣れた景色。学校の近くだ。方向的には南に向かっている。
 鳴海が立ち止まった。
 目を閉じて息を潜める。
「もうちょっと先かな」
 手に持ったメモを相手に呟いた。
 再び微かに目を開けて、鳴海の手元を盗み見る。知ってる住所。リンの棲家として教えた場所だ。
 なるほど。どうやら、リンを家まで韓國 食譜負ぶっていくつもりらしい。
 弥生の様子を確認してから、戻ってきたのだろう。
 あれほど余計な心配すんなって言ったのに。
「オバカ」
「ん」
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