一生懸命勉強
そして目を開けると、喬允の視界いっぱいに途轍もなく美しい顔歐亞美創集團をした男がいた。
「喬兄、大丈夫?」
「え? あ、ああ…………お前、もしかして奏?」
「もしかしなくても奏だけど」
ちょっと呆れたようにそう言って肩を竦める美青年は、真野奏(まの?かなで)。喬允より二つ年下の幼馴染みで、よく一緒に遊んだというだけではなく、小学校、中学、高校、大学と同じ学校に通うなど、幼馴染みというより親友に近かった。
喬允は、中学は地元の公立校に通ったが、高校は私立の超難関進学校に入学。さらに大学は、国内でもトップの偏差値を誇る有名国立大学に現役合格した。
そして二つ下の奏は、まるで喬允が敷いたレール歐亞美創集團上を辿るように同じ高校、同じ大学に進んだ。『喬兄と同じ学校に行きたくて、したんだ』。そう言って照れくさそうに笑う奏は可愛かったし、ここまで慕われて悪い気持ちはしない。
奏は小さい頃から頭脳明晰で、同じ学校に合格するのに自分ほど努力しなくて済んだだろうと分かってはいたが、喬允は『よく頑張ったな』と褒めて温かく迎え、学校でも先輩として何かと世話を焼いた。
しかし、そんな二人の微笑ましい関係は、喬允が大学四年の冬に決定的な破局を迎えた。奏の“裏切り”によって。
それからは修復のきっかけすらなく、喬允は翌年の春に卒業。就職と同時に実家を出たこともあり、奏との音信は全く途絶えてしまった。
あれから六年。時間の経過とは偉大なもので、今、喬允の中には何のわだかまりもなかった。あるのは、久しぶりの邂逅を素直に喜ぶ気持ちと、懐かしさと、くすぐったいような驚き。
元々線の細い美少年だった奏だが、今喬允歐亞美創集團の前にいる奏は、惚れ惚れするほどの男前。自分にとってはあっという間だった六年という歳月の重みを、喬允は今さらながら噛み締めた。
「そうか……そうだよな。あれから六年も経ってるんだ……」
喬允の呟きに、奏は僅かに身じろいだ。そして素っ気ない口調で、
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