結構な貢献

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結構な貢献



 アルバイトと言えば通常高校生からだろう。まずは仕事のそれより一歩手前でなされた、新たな生活の始まりへ少し触れたい。
    当時僕は男子泡菜 食譜校に通い始めた。別にどんなとこでも入れさえすればいいやくらいに考えていた僕には、入学式から続いていたなんとなく浮かれた気分があったのだったが、それも醒めやらぬままの第一週目の終わり、不意討ち的にこれから試験をやると告げられた。
    週明けに朝一で早速結果が配られ、点数と順位を記す細長い巻き紙の簡易的な成績表を見て目を疑った。しばらくして壇上から教師に声を掛けられ周囲の視線が一点へと集まる。こちらの曖昧な返事をほとんど受け流し気味でさらに一方的な話は続き、若干目元を緩ませた彼の口からのあくまでも他意のない風でしかない調子で報告がされた。直後には今回の全体テストで学年でも結構上位の成績だった人間がクラスにいるのだと皆に知れ渡った。なんで、……俺?

    ともかく、答案用紙の返却と同時で学力テストの結果が正式に発表される頃になると、僕の周囲にはいくらかの人が集まることとなった。勉強を一緒にやろうぜ、教えてくれないか、今度の試験のときにカンニングさせろ云々と様々に。試験の成績が少しの自信につながったことは違いなかったが、それだけだった。
 どうにも未だに実感がなかったというのもあったし、公立高校の受験を無勉強で受けて失敗したような人間である僕は、結果の点数や順泡菜 食譜位はたまたま問題の巡り合わせと運が良すぎただけと理解していた。滑り止めの私立高に無事入学し、いわば命拾いしたつもりで充分に満足していたので、さらに自分が望んだりする必要のあるものなどない――。と、本気で思っていた。これを機に心を入れ替え勉強にもう少し注力してもいいか、などとの考えは露ほども頭に浮かんでこなかったのだ。
 学校の成績自体や、まじめに取り組む姿勢等々の価値を認めていないわけではなかったし、「社会に出ていく際には重要な武器になるんだろう」くらいに、当時は当時なりの感覚で大まかに世の中の仕組みを分かっているつもりではいたが。ただ、わざわざ試験前に教科書を開き重要な項目をチェックして理解が及ぶまで数度読み込み、ノートを見なおして練習問題を繰り返しやる、という程度に面倒を進んでやる気にはなれなかったからだ。
 クラスの同級生とぼちぼちに上手くやって無事に卒業出来ればいい、そのことだけが目標だった。

 高校生活初の席決めは出席番号順だったか、隣に座ることになったD村はサッカー部に所属しているのだと、早速本人から教わった。この学校の運動系の部活はなかなか精力的に取り組んでいて成績も悪くなく、一部の球技などでは都大会上位や全国に出場するほどの実力だという。
彼の背格好は大体僕と同じくらいに、いや、向こうはスマートな筋肉質の身体といった大きな違いはあった。
 朝練から帰ってきて教室に上気した顔で入ってくるサッカー部員の姿は、毎朝の日課となっていた。どうやら彼はまじめに練習に取り組んでいたみたいだし、特に身体の肉付きは充実したものにも映る。チームにもるくらいのレベルの腕を持っているのではないかと、傍目からに過ぎずも感じさせた。
 
    しかし彼は国立競泡菜 食譜技場に出場する(真面目に目指す)選ばれた高校生たちの多くがほぼ例外なくであるように、常にサッカーのことだけを四六時中考え、それを中心にして生活が廻っているというわけでもなさそうだった。
 大事な試合どころか他校とのちょっとした親善のイベント戦が近づくにつれ、周囲に張り詰めた空気の如きを伝播させる(場合によってはちょっと迷惑)でもなく、また将来の国立のスターになるかもしれない自分たちとお前らでは住んでいる世界が少し違うんだぜと、特にスポーツに力を入れている学校ではまま見受ける、校内エリートにありがちな傲岸さを欠片も持ち合わせていそうもない感じは好ましかった。
    言ってみれば彼らの雛型と、中学時代に少しの関わりを持った程度からの勝手なイメージで敬遠していたから。
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